ストレスチェック制度のポジション

ヒューマンハピネス代表の上谷実礼です。

今年の12月から事業者に義務づけられるストレスチェックについて、実施体制や社内規定をめぐり、衛生委員会で検討されている頃だと思います。産業保健総合支援センターや医師会で行われているストレスチェック制度についての研修はあっという間に満員御礼になっているようです。

独自のメンタルチェック、ストレスチェックを販売しているEAP業者や健診機関から営業を受けている事業所さんも少なくないかもしれませんが、周囲の状況をヒアリングすると、ストレスチェック制度で利用されるストレスチェックについては厚生労働省が推奨していることもあり職業性ストレス簡易調査票を利用する事業所さんが多いようです。秋頃を目処に職業性ストレス簡易調査票の無料プログラムを公開する予定、と7月下旬に厚労省が発表したこともあり、無料プログラムの公開を待っている事業所さんもありますね。

さて、マイナンバー制度の導入を目前に後回しになりがちながらも、人事労務担当者や産業保健スタッフの実務上の新たなタスクとなったこのストレスチェック制度ですが、いろんなところで言われているように決して「うつ病の社員をあぶり出す」ための仕組みではありません。副次的にメンタルヘルス不調のリスクの高い従業員を早期発見し、産業医による面接指導につなげることで従業員のメンタルヘルス不調を未然に防止するという二次予防的な効果を得られることもあるでしょうが、それが主たる目的の制度ではないのですよね。この制度は従業員それぞれが自らのストレスの状況について気付きを促し、また検査結果を集団ごとに集計・分析することで職場におけるストレス要因を評価し、職場環境改善につなげることで、職場におけるストレス要因を低減させるという一次予防の視点に立った仕組みであるという前提を制度の設計や運営のプロセスで常に念頭に置いておくことが肝要です。

平成18年に過重労働面談が事業者に義務づけられた時も同じような雰囲気でしたが、ただ単に「法律で決まったから」という姿勢で、全社的な取り組みの中で考慮することなく漫然と制度を導入してしまうと、ほぼ間違いなく形骸化します。人事労務担当者や産業保健スタッフは、できれば人材教育部門ともやり取りをして、ストレスチェック制度を全社的な人材育成プロセスのどこに位置づけるのか、結果をどのように活かしていくのかをできるだけ明確化し、ストレスチェック制度が始まる前から制度の説明会だけでなく、セルフケアやラインケアの研修をしっかり実施していくことで、事業所がより主体的に制度を利用できるようになり、効果的な一次予防活動につなげてゆけるでしょう。

…というようなことを契約先事業所さんで熱く語っています♪

それでは、また次回もお楽しみに!