ストレスチェック制度/現段階でやるべきこと

ヒューマンハピネス代表の上谷実礼です。

前回に引き続き「産業医に期待することは? 2」をお届けしたかったのですが、先週、ストレスチェック制度についての研修会に参加して来ましたので、先にその内容についてシェアしますね。

はじめに「産業医に期待することは?」で、労働安全衛生規則にある産業医の職務として


①健康診断及び面接指導等の実施ならびにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること
②作業環境の維持管理に関すること
③作業の管理に関すること
④労働者の健康管理に関すること
⑤健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること
⑥労働衛生教育に関すること
⑦労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること
※少なくとも毎月1回作業場を巡視し、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。


とご紹介しましたが、労働安全衛生法改正を受けて、労働安全衛生規則第14条にストレスチェックに関する項目が追加になりましたね。

◎産業医の職務として、ストレスチェックの実施並びに面接指導の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関することを追加。

これに伴い、産業保健の業界では目下、ストレスチェック制度に関する研修会が目白押しです。事業所の人事労務担当部署はストレスチェック制度よりもマイナンバー対応に追われている…という話をよく聞きますが、4月、5月でようやく労働安全衛生法改正に関連する指針・省令・マニュアルなどが出揃いましたので、マイナンバー対応が一段落した事業所は次にストレスチェック制度の具体的な準備を進めていくものと思われます。ヒューマンハピネスでもクライアント様からのご相談に対応できるように、しっかりと準備を進めています。

さて、先日の研修会では、ストレスチェックの実施方法と指針・Q&Aの解説というテーマで、ストレスチェック制度の行政検討会やマニュアル作成に関わった先生方のお話を聞いて来ました。マニュアルが出来るまでの裏話的なお話もお伺いできて、表面的なことだけではない制度の意図も理解できました。

ストレスチェック制度施行に向けては厚労省からも各種情報が提供されていますので、人事労務担当の皆さんは、一度は目を通されることをお薦めします。下記のリンク先が参考になります。
『職場におけるメンタルヘルス対策等』
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/
ストレスチェックの義務化は今年2015年12月1日からとなりますが、今年12月1日から1年間の間に1回実施すれば法的要件は満たしますので、制度への準備や予算取りの関係で実務的には来年度2016年4月1日~11月30日の間に計画する事業所が多いようです。

研修会ではストレスチェック制度の概要は把握されているものとして、指針やマニュアルにある「事務」と「実務」の違いなど細かい用語の説明や、指針・検討会報告書・マニュアルそれぞれの矛盾についても解説がありました。
今回の制度は実施者として「産業医」の名前が挙がっている点がポイントではあるのですが、あくまでも事業者に義務付けられた制度なので、まずは事業者が制度を理解することが不可欠と、研修会では繰り返されていたことが印象的です。
もちろんその過程では各社で選任している産業医の関与が不可欠なので、人事労務担当者の皆さんはまず各社の産業医に制度についての説明やアドバイスを求めてみて下さいね。

事業者・人事労務担当者がストレスチェック制度について理解するための研修会は各地で開催されていますので、各社の産業医に相談することやマニュアル関係をご一読頂くのと同時に研修会・説明会への参加もお薦めしますが、現段階でやるべきことを下記にまとめました。

 

①事業者は「実務担当者(ストレスチェック制度担当者)」を指名する。
*実務担当者はストレスチェック結果等の個人情報を取り扱わないため、人事課長など人事権を持つ者を指名することも可。

②事業所で選任している産業医に制度の「実施者」もしくは「共同実施者」になってもらえるかどうかを確認し、「実施者」もしくは「共同実施者」を引き受けてもらえる場合は、その旨、依頼する。
「実施者」を引き受けてもらえる場合⇒③へ
「共同実施者」を引き受けてもらえる場合⇒④へ
*万が一、事業所で選任している産業医に上記を引き受けてもらえなかった場合は、ストレスチェック後の事後措置の際に不都合を来す可能性があるため、もしかすると制度を理解してしっかりと対応してくれる産業医に替えた方がいいかもしれません…。そうは言ってもこれまでお世話になられたご縁もありますでしょうから、まずは事業所で専任している産業医とよくお話され、その上でお困りの際は、お気軽にヒューマンハピネスまでご相談下さい。ストレスチェック制度についてご説明させて頂きます。
info@humanhappiness.co.jp

③「実務担当者(ストレスチェック制度担当者)」は「実施者」である産業医と協力して、どのストレスチェックを利用するのか選定し、ストレスチェック実施計画を作成する。
⇒⑤へ

④「実務担当者(ストレスチェック制度担当者)」は「共同実施者」である産業医のアドバイスをもとに、どのストレスチェックを利用するのか選定し、ストレスチェックをEAP業者など外部機関に依頼するのか否か、依頼する場合はどこの外部機関に依頼するのかを選定する。
⇒⑤へ

⑤「実務担当者(ストレスチェック制度担当者)」は「実施者」もしくは「共同実施者」である産業医と協力、アドバイスのもとにストレスチェック実施計画を作成する。
*ストレスチェック実施計画の例は実施マニュアルのP.15にあります。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/

 

現段階でやるべきことに優先順位をつけると上記のような感じでしょうか。
特に事業所の人事労務担当者の皆さんのお役に立てれば幸いです。

次回は「産業医に期待することは? 2」をお届けする予定です。次回も、お楽しみに!