産業医に期待することは?3

ヒューマンハピネス代表の上谷実礼です。

本日は「産業医に期待することは?3」をお届けします。

昨年度から千葉産業保健総合支援センターで企業内の産業保健スタッフや人事労務担当者向けに「アドラー心理学に基づいたより良い人間関係構築のためのワークショップ」を担当しています。
なぜ精神科医でも心理学者でもない私がアドラーのことをお伝えしているのか、というのはまた別に書いていくとして、前回までに書いてきた産業保健活動のみならず、会社の中で色んな物事をスムーズに進めていくためには、関係者同士が良好な関係を作っていく方が望ましい、ということは論を俟ちませんね。社内に健康管理センターや安全衛生部のような部署がある場合はもちろん、そのような部署がなくても社内で新しい施策を行ってゆく場合には、様々なステークホルダーとの折衝事が必要になってくることもあります。その際にも、共感的に尊敬を持って相手の言い分を聞くと同時に自分の要求も伝えつつ、建設的な結論を導き出すためには、良い人間関係を作っていくためのコミュニケーションのスキルやノウハウがあった方がスムーズでしょう。

また、私たち産業保健スタッフが業務上で対応させて頂く方はどうしても心身の不調を抱えている方が多くなってしまうのですが、たとえばメンタルヘルス不調で1ヶ月以上休業(休職・欠勤)している従業員は0.5~1%程度の割合となっている調査研究が多く、当たり前のようですが、従業員のうちのほとんどの方はメンタルヘルス不調ではないのです。
巷で「メンタルヘルス対策」というと得てして、病気になった方の対応や病気の予防、という観点から話題が進みがちなのですが、さて、病気にならなければそれでいいのか?単に病気でないだけでなく、さらに目指すべき人間関係や会社組織のあり方はいかに?といった視点から考えることで、より前向きで実効性のある社内のメンタルヘルス対策が進められるのではないかと思うのです。

前置きが長かった割にはあっさりとした結論なのですが、このように考えて頂くと千葉産業保健総合支援センターでより良い人間関係構築のためのワークショップを開催して頂くことには大きな意味があるように思います。

コラムタイトルの「産業医に期待することは?」からはやや脱線していますが、期待されたり頼りにされたりすることは嬉しいものです。単に「メンタルの面談をしてくれる存在」としてだけでなく、せっかくなので事業所で選任されている産業医の先生には、色々な相談をして頼ってみて下さいね。

それでは、また次回もお楽しみに!