産業医に期待することは?2

ヒューマンハピネス代表の上谷実礼です。

前々回に引き続き「産業医に期待することは? 2」をお届けします。

労働安全衛生規則は産業医の職務として色々と記載がありますが、実際には、活動の中で多くの時間を占めるのがいわゆる「面談」という産業医が多いのではないかと思います。「面談」と一言で言っても、ここ数年増えているメンタルヘルス不調に関するものだけでなく、身体疾患による休業からの復職面談や就業判定を行うための面談、一般の健康相談、定期健診結果に基づいてフォローするための面談、上司から部下の様子についての相談、過重労働面談などなど内容は多岐に渡ります。また人事労務担当者から休業者や体調不良が疑われる従業員についての情報共有や対応についての相談を受けたり、社内の仕組み作りについての相談を受けたりすることも、大きなくくりとしては「面談」と言えるかもしれません。
他には職場を巡視し、働く環境や働き方をチェックしたり、安全衛生委員会に出席して最近のトピックスについての情報提供や解説を行ったり、定期健診結果を確認して就業判定(通常勤務が出来るか否かの判定)を行ったり、各種研修を行ったり、感染症や労災防止のための対策を立てたり…というようなことも行いますね。

今でも時折「先生の専門は何科ですか?」と聞かれることがありますし、臨床医(医療機関で診療行為を行っている医師)のドクターの中には産業医を見下すような先生も残念ながらいますが、産業医の活動には法的な知識や判例についての知識も必要ですし、何よりある程度は会社経営の知識も必要になって来ますし、こうやって列記してみると、我ながらけっこうたくさんのことを行っているのね、と改めて感じました。

それで、「産業医に期待することは?」ですが、産業医によって経験やバックグラウンドも異なりますので、人事労務担当の方は医療に関わりそうなことだけでなく、「これは産業医に相談するようなことかな?」と迷ったら、まずはなんでも会社で選任している産業医に相談されてみたらいいと思います。
私自身はできるだけ相談してもらえるハードルを下げるために「お金を貸して下さい」という相談以外は何でも受けます、とお伝えしています。
(ヒューマンハピネスとご縁のある事業所の人事労務担当の方は、私のこのセリフ、聞いたことありますよね)

もちろん全ての相談に対応できる訳ではないので、分からないことは調べたり、適切な相談窓口を紹介したりするケースも少なからずありますが、人事労務担当者の負担を減らすのも産業医の大きな役目のひとつだと考えていますので、悩んでいることがあったら一人で抱え込まずに相談して頂きたいな、と願っています。

人事労務担当者の方も慣れないと産業医との付き合い方に悩まれるかもしれませんが、「産業医って何をしてくれるのかな」と考えている暇があったら、大いに期待してじゃんじゃん相談をしてみて下さいね。そういう相談になんとかして応えようとする産業医がこれからさらに求められていくのかな、と思います。

最近は前述したような一般的な活動だけでなく、離職率の高い会社なら離職率を下げるような取り組みを考えたり、新入社員の早期の離職を防ぐようなワークショップを行ったり、労災防止のためには5S活動が基本だよねということで現場のお掃除に行ったり、色々と考えつく楽しそうな活動もどんどん行っていますよ。
これらの活動についてもまたコラムに書いていきますね。

今回もまずまず長くなりました。
先日の千葉産業保健総合支援センターで行った「アドラー心理学に基づいたより良い人間関係構築のためのワークショップ」の際に頂いたコメントの「産業保健って何だか分からなくなりました」へのコメント返しになかなかたどり着きませんが、次回もお楽しみに!